贈与1
1.贈与
民法では、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受託することにより、その効力を生ずる。」と規定しています。つまり、贈与とは、贈与者から受贈者に対して無償で財産的出捐をすることを目的とする「諾成契約※」であると言えます。
※諾成契約とは、契約当事者の合意だけで成立する契約
(1)贈与の目的物
贈与に該当する物
①財産権
②債務の免除
③用益物権の設定又はその放棄
贈与に該当しないもの
①使用貸借
②無償の労務給付
(2)贈与の無償性
無償であるかどうかは当事者の主観によって定まります。受贈者が多少の反対給付を行ったり、負担を負う場合でも、当事者において、それらが贈与に対しての対価的意義がないと認識すれば、それは贈与になります。
2.書面によらない贈与と撤回
撤回できないもの
①書面による贈与
②書面によらない贈与でも履行終了のもの
撤回できるもの
①書面によらない贈与で履行未了のもの
・現実贈与
民法は贈与を諾成契約としてとらえていますが、動産の贈与などにあっては、贈与契約と目的物の交付が同時になされる場合があります。このような贈与を現実贈与と言います。