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「相続税 基礎控除」の使い方と節税術
伊丹市の税理士【和田敦税理士事務所】です。今回は「相続税 基礎控除」の使い方と節税術について説明します。相続税は避けられない事実であり、その対策は非常に重要です。基礎控除の活用は、賢い節税策の一つです。この記事では、基礎控除とは何か、どのように適用されるのか、また節税のための具体的な戦略について詳しく解説します。
相続税と基礎控除の基礎知識
相続税とは、ある人が死去したときにその財産(遺産)を受け継いだ人が支払う税金です。この税金の計算方法は、遺産の価値を算出し、その価値に対する税率を適用することで求めます。
基礎控除とは、計算された税金の中で控除される部分のことを指します。具体的には、遺産から特定の金額を引いた後の残額に税率を適用し、その結果を相続税とします。基礎控除の金額は、遺産の相続人の数やその他の条件により変動します。基礎控除を適切に活用することで、相続税の負担を軽減することができます。
基礎控除の申請手続きと注意点
基礎控除を申請する際には、確定申告の手続きが必要となります。これは、遺産の価値を計算し、相続税を算出するための手続きです。具体的な申告の手続きは次のとおりです。
遺産評価額を算出します。これは、不動産、株式、預金など、相続人が受け取る全ての財産の価値を合計したものです。
基礎控除額を適用します。基礎控除額は、現在6000万円+相続人1人につき1000万円となっています。
基礎控除後の遺産評価額に対して相続税率を適用し、相続税額を算出します。
基礎控除の申請には細心の注意が必要です。遺産の評価額を過小評価したり、基礎控除額を誤って計算した場合、税務署から追徴課税の対象となる可能性があります。また、確定申告は相続発生後10ヶ月以内に行う必要があります。この期限を逃すと、遅延申告となり遅延税が発生するため、早めの対応が求められます。
基礎控除の適用範囲と条件
基礎控除は、全ての相続人に適用されます。つまり、相続人が多いほど基礎控除額は増加します。現在の基礎控除額は「基本額6000万円+相続人1人につき1000万円」です。
しかし、全ての相続人が控除額を100%享受できるわけではありません。特に注意が必要なのが、遺留分減殺分と遺贈分です。遺留分減殺分とは、遺言によって法定相続分を下回る相続がなされた場合の減殺分のことで、これは基礎控除の対象外です。また、遺贈分(贈与による遺産分)も基礎控除の対象外です。
さらに、基礎控除が適用されるのは「相続税」だけであり、「贈与税」は別の控除額が適用されます。相続と贈与は税法上別々の制度であり、それぞれに適用される税率や控除額が異なるため、これらの区別を理解することが重要です。
基礎控除を最大限活用するための戦略
基礎控除を最大限活用するためには、以下のような戦略があります。
相続人の選択:
基礎控除の額は相続人の数により増加します。しかし、全ての相続人が同じ割合で遺産を受け取る必要はありません。例えば、親から子への相続の場合、子供が3人いても、全ての遺産を長男に相続させ、他の2人は基礎控除のみを利用するという方法もあります。
生前贈与:
大きな遺産を相続する場合、生前に一部を贈与することで、相続税の負担を軽減できます。ただし、贈与税が発生するため、その計算も忘れずに行いましょう。
相続税対策専門の顧問との相談:
税法は複雑で、個々の状況によって最適な対策が変わります。専門的な知識を持つ顧問と相談することで、自身の状況に合った最適な節税策を見つけられます。
基礎控除と他の節税手法の組み合わせ
基礎控除は節税の一つの手段ですが、他の節税手法と組み合わせることで、さらに節税効果を高めることが可能です。
例えば、生前贈与は、相続が発生する前に一部の財産を移転することで、相続税の課税対象を減らす手段です。これにより、相続税と贈与税の二重課税を避け、節税を図ることができます。ただし、贈与税の控除額と税率を考慮に入れる必要があります。
また、遺言による遺産の分割も効果的な節税手法です。遺言により遺産を細分化し、複数の相続人に分けることで、基礎控除を最大限に利用することができます。
さらに、信託を利用することも有効な手段です。信託は、財産を一定の目的のために管理・運用する契約で、信託により遺産を管理することで、遺産の価値を保ちつつ、相続税の負担を軽減することができます。
専門家に相談するメリットと適切な節税アドバイスの受け方
相続税の節税策は複雑であり、自身で計画を立てるのは難しいかもしれません。そこで専門家の助けを借りることが、適切な節税策を立てるために重要となります。
税理士やファイナンシャルプランナー等の専門家は、最新の税制を理解し、クライアントの状況に合わせたアドバイスを提供します。また、複雑な申告書類の作成支援や、計算ミスを防ぐこともその役割です。
適切なアドバイスを受けるためには、以下の点に注意しましょう。
信頼できる専門家を見つける:
専門家には経験や専門分野がありますので、自身の状況に適した専門家を見つけることが重要です。
情報を明確に伝える:
節税策は個々の状況によって変わるため、具体的な資産の状況、家族構成、将来の計画などを詳細に伝えることが必要です。
アドバイスを理解する:
専門家からのアドバイスは専門的な内容を含む可能性がありますので、理解できない点は遠慮せず質問しましょう。
まとめ
本記事では、「相続税 基礎控除」の使い方と節税術について解説しました。基礎控除は相続税計算の大切な要素であり、その適用範囲と条件を理解し、適切な申請手続きを行うことが重要です。また、基礎控除を最大限に活用するための戦略や、他の節税手法との組み合わせについても詳しく説明しました。
さらに、相続税対策は個々の状況により大きく変わるため、専門家に相談することのメリットと、適切なアドバイスを受けるための方法についても触れました。
相続税の節税は、基礎控除の活用が重要です。しかし、税法は複雑であり、専門的な知識を要するため、一人で解決するのは難しいかもしれません。相続税に関する詳細な情報や法律の変更には注意が必要ですので、最新の情報を確認しながら適切な対策を取るようにしましょう。
「相続税 基礎控除」をお考えなら、伊丹市の税理士【和田敦税理士事務所】までご相談ください。税務の専門家として、最適な節税策をご提案します。
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